【風景演劇 応援メッセージ】鈴木美恵子 氏からのメッセージ

posted on 2022.03.26

東温で延べ約一ヶ月間アーティストが滞在しながらリサーチと作品創作を行ない、東温の河之内地区にある棚田と豊かな水のある風景を舞台に、この瞬間・この場所でしか見られないパフォーマンス作品を発表する今回の“風景演劇プロジェクト『風景によせて2021 かわのうち あわい』”。

開催にあたり、愛媛県の民間劇場「シアターねこ」の代表を務め、愛媛の演劇文化を支えられてきた鈴木美恵子氏より今回の滞在アーティスト“ソノノチ”の皆さんに応援メッセージをいただきました。

今回の東温初のアーティスト・イン・レジデンスに向けて、何度も“ソノノチ”の皆さんとお会いいただき、お話やご相談にのっていただいた鈴木氏からのメッセージです。

未だ体感したことのないような演劇「風景演劇」に期待を寄せていただいたメッセージとなっています。
ぜひご一読ください。

【応援メッセージ(鈴木美恵子氏 氏)】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「旅するパフォーミング・アーツカンパニー」という、優しい雰囲気のソノノチさんの方々とご挨拶したのは、昨年の夏前のような気がします。9月末公演予定が、コロナ禍で開催が延期され、3/26,27にやっと本番を迎えることができました。その間、東温市を何度も訪れ、丁寧に地域を散策し、住まわれている人たちとも関わり、語り合いながら作品の構想を練られたのでしょう。その土地によって異なる匂いや、風景を五感で受け止めながら。

「かわのうちあわい」とは住所なのかポエムなのかよくわからないまま、私は「風景演劇」を見ることになるのですが、地名というリアルと、「あわい」を辞書で引くと「間 向かい合うもののあいだ」のふんわり感の間を漂うことになるのかなぁと想像しています。未だ体感したことのないような演劇を見るのだという、意識だけはくっきりしています。

大自然に向き合うとき、私はいつも人間の小ささを思います。朝がきて、昼になり、夜が来る、そしてまた朝が来るという時の流れの中で、風の音・太陽の暖かさ・夕焼けのもの悲しさ・月の満ち欠け・満天の星空・幼いころから見ていた風景を愛おしいと感じる心を大切にしたいと思います。それさえあれば人は人らしく生きていけるのでないかと・・・

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鈴木美恵子(すずきみえこ) 氏(シアターねこ)

<プロフィール>
演劇企画集団「く☆す」で、別役実、清水邦夫、太田省吾、井上ひさしなどの演劇作品製作。
2007年にNPO法人シアターネットワークえひめを設立し、地域の舞台芸術を軸にした文化芸術振興を図る
ための各種事業開催。2012年に民間小劇場シアターねこを設立、2018年には障がい者就労継続支援B型
事業所「風のねこ」、同時に「物語カフェかまどねこ」を設置。
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